TOKIOの謝罪会見で見る日本で頻繁にある「連帯責任」は悪しき習慣なのか?

先月末にジャニーズのアイドルバンド「TOKIO」の山口達也さんが強制わいせつ容疑で書類送検(現在は起訴猶予)されたのは衝撃でしたね。

その後のTOKIOメンバーの謝罪会見などでちょっと思うことがあり、書いてみました。

連帯責任について

先日、山口さんが所属しているジャニーズ事務所の「TOKIO」の山口さんを除く4人のメンバーが会見しました。他4人のメンバーはみな責任を感じていて、深々と謝罪してました。その後各メンバーからのコメントがあり、質疑応答。

各記者からの執拗な攻撃に真摯に対応するTOKIOのメンバーには好感を持てますが、それ以上に違和感を感じました。それは

連帯責任

という言葉が私の中に違和感を与えたのです。

「こんな犯罪をしてしまったメンバーを出してしまったのは残りのメンバーの責任だ」

という考え方が日本には多いと思います。それって「悪しき習慣じゃない?」と思ってます。私にも経験があったので余計にそう感じてしまいます。

ということで私の経験したおかしな連帯責任について伝えたいと思います。

クラス追放宣言

怒る先生

私が中学生のころ、別に不良というわけではなかったのですが(と思います)担任の矢島先生(仮名)から「クラス追放」を宣言されたことがありました。理由は変形の学生服を着用していたからということでした。

「クラス追放事件」が起こったのは突然でした。校内放送で呼び出されたのです。

校内放送

ピンポンパンポーン

「3年3組の我瀬さん。矢島先生が呼んでます。至急校内屋上まで来てください」

私はビビりました。屋上っていったらだいたい喧嘩する場所なんです、昭和時代は。そこに呼び出すとはいったいどうなるんだろうと思いつつ、屋上へ行ったのです。

屋上

屋上に着くと矢島先生は腕を組んで仁王立ちしていました。ちなみに矢島先生は体育会系しかも格闘系の出身でガタイはでかく顔も厳つい。そんな先生が仁王立ちをしていると恐怖が私を支配します。

矢島先生は鬼の形相で私に言いました。

我瀬!お前今朝8組の高橋先生(仮名)からお前のズボンが太いって注意されただろう?

やばい!もうばれてんだ。。。私はこの日の朝、登校時に門番(今はいないと思いますが、正門前でよからぬ生徒を注意する役割の先生のこと)の高橋先生にズボンが太くないか?と注意されたのです。

高橋先生はおとなしいタイプなのでテキトーにあしらったのがバレたようです。

我瀬
いや、標準(じゃないけど)の制服だし高橋先生は許してくれました。何が悪いんですか!?

矢島先生は怖いけど、ちょっと校則に疑問を持っていた私は反論してしまったのです。すると ローキック画像

キョーレツなローキックを見舞われました。ものすごく痛かったです。1週間くらいはまともに歩けないくらいのダメージを負いました。今までこれ以上の蹴りを食らったことはないです。

この当時は教師からの暴力(体罰)はまだまかり通っていた時代でした。教師は普通に手足を出すのは当然、しかも道具も使います。恐ろしい時代でしたね。道具の内容はご想像におまかせします。

連帯責任

私はキョーレツな蹴りを食らいながらも言葉は発せず、眼だけは反抗してました。すると矢島先生は言いました。

お前みたいな人間を作ったのはクラスの責任だ。おいっ戸辺、小田原と遠藤呼んでこい!

そしてまた校内放送。ちなみに戸辺さんは矢島先生のパシリ。

「3年3組の小田原生徒会等と遠藤級長、矢島先生が呼んでます。至急屋上まで来てください」

ちなみに小田原くんは生徒会長で私とは幼稚園からの中。遠藤くんは3年3組の級長です。なんで私がやらかした件(何も悪いと思ってないけど)で小田原くんや遠藤くんが怒られるの?全く不思議でした。

小田原くんも遠藤くんも私のために一生懸命謝ってました。私は当然この二人には申し訳ないと思うわけです。と同時に

我瀬
小田原も遠藤もカンケーなくね?

と思いませんか?全く関係ない小田原くんや遠藤くんが私のために頭を下るという様を見るのはつらいですよ。ていうかそれが目的なのでしょうか。だとしたらちょっとエゲツない手段です。いやですね。こういうやり方。

結局矢島先生は小田原くんと遠藤くんの謝罪にも納得いかず(何で?)私に10円玉を放り投げてこう吐き捨てました。

母ちゃん呼んでこい
公衆電話画像

当時はこんな電話でした。結局母親が来て、私といっしょに矢島先生から説教くらいました。母親は泣いてました。母親が泣くほどの悪いことをしたつもりは私にはなかったんですけどね。

でも母親には申し訳ないと思いました。しかし今でも強く思うのは

小田原も遠藤も母親もカンケーない

ということです。私が規格外の制服を勝手に着用していただけで、全く関係ないクラスメイトが連帯責任で怒られる。こんな理不尽はありません。

ジュネーブ条約では連帯責任禁止

連帯責任禁止

ちなみにジュネーブ条約では連帯責任は禁止されているのです。ジュネーブ条約の第三十三条で以下のように記述されてます。

第三十三条〔集団罰禁止〕被保護者は、自己が行わない違反行為のために罰せられることはない。集団に科する罰及びすべての脅迫又は恐かつによる措置は、禁止する。

「集団罰禁止」と明確に制定されています。

ジュネーブ条約とは

しかしそもそもジュネーブ条約とは何?と思う人がいるかもしれません。簡単に言えば「例え戦時中であってもやってはいけないこと」です。

兵隊画像

具体的例をあげると、日本がK共和国と戦争状態となってK共和国の兵隊が野田市に上陸したとしましょう。

自衛隊ではない私がこの兵隊に捕まり、捕虜となりました。そこでジュネーブ条約が発動し、このK共和国は私に対し、殺すことはもちろんのこと、虐待や拷問をしてはいけないということ。また人質として扱ってはいけないということです。

また私が捕虜になっている間肺炎になってしまったら、治療をさせなければいけないということです。まあ敵国の捕虜であっても手厚く扱えという変な条約です。

私の「クラス追放事件」ではもちろんジュネーブ条約は適応されませんが、ジュネーブ条約で禁止されていることを平気で日本のしかも教育現場で行われているって問題じゃないですか?

TOKIOの他のメンバーは連帯責任をとる必要があるのか

TOKIOの他4人のメンバーの謝罪会見で、それぞれの考えを伝えていました。正直まだ受け止められないという感じでしたね。「TOKIOを無くした方がいい」的な発言をしていたメンバーもいたような気がします。

ネットでの反応は様々です。


みなさん、様々な反応しているようです。

TOKIOは連帯責任をとって解散する必要はない

私個人的考えでは、TOKIOは解散する必要はないと考えてます。つまり連帯責任をとる必要はないということです。
確かにTOKIOは家族同様な強い絆があると思います。だからこそ悩むところですが、山口さんが個人で犯してしまった罪なので、他の4人のメンバーは関係ありません。

他の4人のメンバーが山口さんを犯罪者にしたわけではないのです。

したがってTOKIOは解散する必要はありません。しかし山口さんの復帰・脱退は慎重に考えなければなりません。このまま謹慎が解け、TOKIOに復帰し普通にテレビやCMで露出されることを被害者が許せるかは懐疑的です。

示談は済んでますが、被害者が「今回の事件はなかったことにしていいですよ」と言ってるわけではありません。被害者の傷は残っているはずです。はたして時間が被害者の傷を癒してくれるか。これは時間が経ってみないとわからないことでしょう。

連帯責任は悪しき習慣か

やはり私は「連帯責任」というものは悪しき日本の習慣と思います。しかし連帯責任を取らねばいけないケースもあるとは思います。

例えば連帯責任がよく適応されるのが、高校の部活です。よくある話が喫煙や万引きで捕まった生徒が所属する部活動が試合出場を自粛するということです。

ただこの場合も部活内で複数の部員で慢性的に喫煙や万引きなどを行っていたら連帯責任をとって自粛するのはやむを得ないでしょう。

しかし、喫煙や万引きをした部員以外は皆規則正しい生活を送っているならば連帯責任を取って試合出場を自粛するのは良くないと思います。

こんな感じのニュースよく見かけません?

人間様々なんです。10人いれば10の個性があります。10の生活環境があるのです。はみ出す人もいるでしょう。そのせいで他の9人が全員責任を取るという考えを全てのケースに当てはめてしまうのはおかしいですよ。

というわけで長文読んでくれた方、ありがとうございました。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です